-自動注湯ロボット-

研究背景


 鋳造とは1000℃以上の熱で溶かした金属を型に流し込み,目的の形状に成形する,金属加工の一手法です.鋳造産業における注湯工程は,溶融金属を取鍋から鋳型へ注ぐ工程です.注湯工程の作業ラインは高熱や粉塵に晒される環境であるため作業者の負担が大きいことが問題となります.また,溶融金属を取り扱うことが難しく,手作業では高精度に注湯できないことが現状です.

自動注湯ロボット
 これらの問題に対し本研究室では,容器内の液体を揺らさずに速く運ぶこと,溶融金属を正確な量で的確な位置へ注ぎ込むことをテーマに研究に取り組んでいます.
 研究室では物理法則に基づいた制御コントローラ設計を行うと共に,数値シミュレーションや右の写真に示す自動注湯ロボットを使った水実験を通じた検証を行いながら研究を進めています.

液面振動抑制

 注湯中に取鍋内溶湯の液面振動が発生すると,浮上しているスラグ(酸化物)などが溶湯内に巻き込まれ,製品品質を悪化させます.また,液面振動により溶湯の落下軌跡が乱れ,正確に鋳型内へ注湯できなくなることも問題となります.
 当研究室では,液面レベルセンサを用いずに,取鍋内の液面振動を励振させない注湯モーション制御や液体搬送制御システムを開発しています.

■振り子モデルによる制振制御

 液面振動は振り子と同じく周期性や固有振動数を持っています.そこで液面の揺れを振り子の揺れに見立てることによってモデル化し,従来の制振手法を用いて制振を行うことを考えます. 下の動画はノッチフィルタを適用し,液面の固有振動数を除去した入力で液体搬送を行った例です.

■境界要素法による高次モード振動の抑制


境界要素液面モデル
 容器内の液面を境界要素法によってモデル化することで,振り子モデルでは扱えない,高次モードの振動を抑制することが可能になります. また,境界要素モデルを使って容器の搬送・傾動を同時に制御することで,液面を傾けることのない搬送を実現できます. 液面振動を予測し,制御のための搬送加速度と傾動角加速度を導出することで,研究室内の装置では液面変動を2mm以内に抑制できることが確認されています.

通常の制振搬送(上)と傾動も制御した制振搬送(下)

流出流量制御


流量制御

 自動注湯機における流量制御には熟練技能者の動作を記憶させて動作させるものもありますが,取鍋や鋳型の種類が変わる度に動作データの収録が必要になります.本研究グループでは,物理則に基づいた注湯流量プラントモデルを構築すると共に,これを用いた逆システムにより適切なモータ入力を導出,流出流量を制御することを実施しています.
 このモデルによってセンサを使用しないフィードフォワード制御においても3%以内に充填量の誤差を抑制できることを確認しています.

液体落下位置制御


落下位置制御
 正確な流量コントロールが実現されると,液体流出時の流速や落下軌跡を推定することが可能になります.液体の落下軌跡は自由落下運動に基づいて推定することができ,注ぎ口の高さからどの位置に液体が落下するかがわかります.この液体の落下位置に応じて取鍋を前後させることによって,液体の落下位置制御を実現することが可能になります.

研究内容

講義資料

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