-遠隔リハビリテーション-
〜遠隔制御技術の確立と訓練システムの開発〜

研究背景

 日本などの先進諸国では,少子高齢化が進んでおり,介護者が不足しています.それに伴い,病院に通院することが困難で,満足にリハビリテーションを受けられない患者が増加しています.また,高齢者が患者を介護しなければならない状態も存在します.
 本研究では,この問題に対する有効な解決策として,病院で療法士により行われているリハビリテーションを,自宅にいる患者に提供する遠隔リハビリテーションを提案しています.
 遠隔リハビリテーションにおける重要事項は以下のように考えられます.
  • 患者の安全性が十分に確保されていること
  • 通院して受けるリハビリと同じリハビリを再現できること
  • ロボットを介し,患者の状態を定量的に評価すること
  • 患者に対し適切な訓練を提供すること

 そこで,これらを実現するために本研究では安全性を確保し,患者の腕の状態を正確に遠隔地側で再現する遠隔制御技術の確立と,患者に対して訓練を提供するための訓練システムの開発の二つを柱にしています.

遠隔制御技術

 本研究では,上肢の関節可動域訓練を訓練対象としており,遠隔制御技術を用いて,病院などにいる療法士が遠隔地(自宅)にいる患者にリハビリテーションを提供することができるシステムの研究を行っています.
 患者と療法士が共に行うリハビリテーションでは,患者の回復状態や体調により訓練動作が決められます.本システムでは,ハプティックフィードバックシステムを用いることで,患者の関節硬さを療法士側で再現し,仮想現実感を得ながらリハビリテーションを行うことができます.
 遠隔制御技術として,リハビリテーションロボットには,療法士の直感性を重視し,腕の構造を模した2自由度マスタ/スレーブシステムを採用しており,このシステムに位置-力帰還バイラテラル制御を用いています.しかし,通信システムの遅延の影響により,システムが不安定となる場合があります.本システムでは,通信遅延問題に対して,マスタアームのアクチュエータに電磁ブレーキを使用することで,安定性を保証しました.
 今後,操作性・安全性の向上を目指し,遠隔地側の状態・情報を予測するシステムの開発や,システムの性能を劣化させない研究をしています.

訓練補助システム


 本研究では,患者が極力少ない負荷で効率よく筋力トレーニングを行うため,衰えた筋肉に対してのみトレーニングを行う最適筋力トレーニングの研究をしています.
 これは,筋肉を鍛えることで,患者を自立させるリハビリテーションですが,この訓練には,適切な訓練動作が不明慮という問題があります.そのため,筋力を推定することで訓練が必要な衰えた筋肉を特定し,その衰えた筋肉を効率よく訓練する動作の導出を行っています.
 筋力を推定するために,力情報と筋活性率情報を用います.筋活性率は,筋肉の活性度合を表現したもので,表面筋電位信号を処理することで求めています.この筋活性率は,訓練状態を確認するための情報としても有用です.また,人の上肢を3対6筋骨格リンク機構モデルで表し,機能別実行筋(FEM:Functional Effective Muscle)の出力特性を求めています.取得した生体情報と運動動作を利用し,筋肉の活動と運動を関連付け,これによりどのように運動すると特定の筋肉がより活性化するかを求め,筋力トレーニングに応用します.
 今後は,推定精度の向上や,MRIによる推定結果の検証の他,導出した訓練動作のバイオフィードバックについても研究していきます.

研究内容

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